Acoustic Live~君の住む町へ~

海援隊 Acoustic Live~君の住む町へ~歌詞
1.風の福岡

作詞:井上良介
作曲:井上良介

風の吹く丘に 鐘の鳴るこの街に
花は咲きほころびて 今は春がいっぱい
はるか遠く 見知らぬ都市へ
旅に出た友よ
もしもあなたが生きているなら
苦しいたたかいの日々に想い出して
あなたのふるさと 風の福岡を

祈ってもむなしい 言葉と同じことさ
だけど今はうたうよ 風の吹く丘で
はるか遠く見知らぬ都市へ
旅に出た友よ
もしもあなたがいだいた夢
なくしてしまった時には戻っておいで
あなたのふるさと 風の福岡へ
風の福岡へ


2.たんぼ道の唄

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

僕は風よりも 土になりたい
静かに息をする 土になりたい
風のように旅するよりも
土のようにとどまる方が
本当は勇気がいる事なんだ
迷ってばかりの生き方したけど
僕は風よりも土になりたい

僕は海よりも 川になりたい
畑のそばをゆく 川になりたい
海のように広がるよりも
川のように働く方が
本当は強さが いる事なんだ
迷ってばかりの生き方したけど
僕は海よりも 川になりたい

僕は山よりも 丘になりたい
季節の花がさく 丘になりたい
山のようにそびえるよりも
丘のように たたずむ方が
本当は覚悟が いる事なんだ
迷ってばかりの 生き方したけど
僕は山よりも 丘になりたい
迷ってばかりの 生き方したけど
僕は街よりも 村で生きてゆく


3.贈る言葉

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

暮れなずむ町の 光と影の中
去りゆくあなたへ 贈る言葉

悲しみこらえて 微笑むよりも
涙かれるまで 泣くほうがいい
人は悲しみが 多いほど
人には優しく できるのだから

さよならだけでは さびしすぎるから
愛するあなたへ 贈る言葉

夕暮れの風に 途切れたけれど
終わりまで聞いて 贈る言葉

信じられぬと 嘆くよりも
人を信じて 傷つくほうがいい
求めないで 優しさなんか
臆病者の 言いわけだから

はじめて愛した あなたのために
飾りもつけずに 贈る言葉

これから始まる 暮らしの中で
だれかがあなたを 愛するでしょう
だけど 私ほど あなたの事を
深く愛した ヤツはいない

遠ざかる影が 人混みに消えた
もうとどかない 贈る言葉
もうとどかない 贈る言葉


4.友、遠方より来る


5.まい・ぱぁとなー

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

桜の花満開の下
ランドセル二つ学校へ走る
運動場ではフォークダンスの
一年生が輪になって廻る
我が家の庭にはいただき物の
桜吹雪が舞い込んでくる
私も妻も花びらあびて
まるで映画のラストシーンだね
ああ 花や木に心華やぎ
フォークダンスの仲間に入ろう
君 スカートの裾ひるがえし
いざ手をとりて マイ・パートナー

夏の陽盛り欅の影に
日傘を閉じて入ってきた人
もうすぐ母になるその人は
お腹で眠る我が子に微笑む
緑の梢を風渡る音
サイダーの泡が弾ける音だ
木もれ陽うけて微笑むその人
ステンドグラスのマリアの笑顔
ああ 花や木に心華やぎ
昔のあなたによく似た人だ
さあ あちらの方も二人づれ
ベンチをゆずろう マイ・パートナー

コスモスの花が揺れる小道で
出会った二人は車椅子の人
お先にどうぞと道ゆずられて
妻の手を取りそっと追い越す
静かな笑顔でお辞儀をなさるが
お礼を言うのは私の方です
照れずに妻と手をつなげました
恋人同士のあの日のように
ああ 花や木に心華やぎ
コスモス畑に二人で座ろう
君 コスモスの花の真似をして
空を見上げる マイ・パートナー

銀杏並木も裸にされて
商店街の灯かり暖か
買い物帰りの足急がせて
通りかかったいつもの花屋
お年召されたご夫婦そっと
買って行かれる山茶花の花
人生の時が暮れ行く人に
何と似合うか紅の花
ああ 花や木に心華やぎ
そのご夫婦の後ろを歩く
さあ 落ち葉踏んでのんびりと
家路をたどろう マイ・パートナー


6.新しい人へ

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

君はハンドル くねらせながら
長い坂道のぼる
汗と一緒に 涙ふく君を
僕が押してあげるね
何の花だろう こんな坂の途中
冬を選んで 咲く花もある

止まれば倒れる この自転車が
君が選んだ 生き方なんだね

ペダルをこいで ペダルをこいで
君ならできる 倒れず行ける
君はペダルをこいで
坂の上まで のぼりついたら
まっすぐに空を見た

飛んでみたくなる 夕暮の空
僕らはここで 僕と君になる
心が強くなろうとする時
言葉は何にも 役に立たない

悲しみばかり 染みこんだ町
君は静かに 見下ろしている

ペダルをこいで ペダルをこいで
ふり返らずに 走り続けて
君はペダルをこいで
地面をかすめて 飛ぶ鳥のように
まっすぐ坂道 君は降りて行く

幸福ってやつは きっと傍にある
自転車こいで行ける所に

ペダルをこいで ペダルをこいで
君なら行ける 一人で行ける
ペダルをこいで ペダルをこいで
遠くなるほど 君らしくなる
だからペダルをこいで


7.恋不思議

作詞:武田鉄矢
作曲:山木康世

街で流行りの 恋唄たちは
愛してしますと くり返すけど
私の恋は とても静かで
あなたが心を 夕暮に染めた
季節の中を さがし続けて
ようやく あなたに たどりついたのに
うまく笑えず 何も話せず
うつむくだけの 私になった
人が人に 恋することが
とても不思議に 思えてくる
心が心をさがして歩く
恋することは 何て不思議なことだろう

街で流行りの 恋唄たちは
別れがくるさと 笑ってるけど
私の恋は たとえ夢でも
幸福そうに 息をしている
季節の花が 陽差しをさがし
そっと花びら ひろげるように
恋が肩をたたいた日から
迷わずあなたをみつめる私
人が人と 生きてゆくことが
とても不思議に 思えてくる
心が心と肩よせ歩く
愛することは 何て不思議なことだろう

心が心をさがして歩く
恋することは 何て不思議なことだろう


8.思えば遠くへ来たもんだ

作詞:武田鉄矢
作曲:山木康世

踏切りの側に咲く コスモスの花ゆらして
貨物列車が走り過ぎる そして夕陽に消えてゆく
十四の頃の僕はいつも 冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら 遥かな旅路を夢見てた
思えば遠くへ来たもんだ 故郷離れて六年目
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら

筑後の流れに 小魚釣りする人の影
川面にひとつ浮かんでた 風が吹くたび揺れていた
20歳になったばかりの僕は 別れた女を責めながら
いっそ 死のうと泣いていた 恋は一度と信じてた
思えば遠くへ来たもんだ 今では女房 子供持ち
思えば遠くへ来たもんだ あの頃 恋しく思い出す

眠れぬ夜に酒を飲み 夜汽車の汽笛 聞くたびに
僕の耳に遠く近く レールの響きが過ぎてゆく
思えば遠くへ来たもんだ 振り向くたびに故郷は
思えば遠くへ来たもんだ 遠くなる様な気がします
思えば遠くへ来たもんだ ここまで一人で来たけれど
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまでゆくのやら


9.母に捧げるバラード

作詞:武田鉄矢
作曲:海援隊

「お母さん、今僕は思っています。僕に故郷なんか、
なくなってしまったんじゃないかと。
そして、ひとつ残っている故郷があるとすれば
お母さん、それはあなた自身です。
あなたは、何から何まで故郷そのものです。
今、こうして静かに目をとじていると、お母さん、
あなたの声が聞こえてくるんです。聞こえてくるんです。」

今も聞こえる あの おふくろの声
ぼくに人生を教えてくれた
やさしいおふくろ

「コラ!テツヤ!何ばしようとかいなこの子は、おまえ、
はよ学校いってこんか。デレーッとして。
近所の人からいつも、おまえ何てウワサされようか、
知っとうとか。タバコ屋の武田ん方の息子は、
フォーク・ソング狂いのバカ息子、バカ息子って、
噂されよっとお。どうしてまた、
こげん頭の悪か子のできたとかいなね。
ほんなこと、母ちゃん情けなか。あの日、あの日、
父ちゃんが酒さえ飲んで帰ってこんかったら、
おまえのごたあ、バカ息子はできとらんとにねえ。
ほんなことが。

待て!待てテツヤ!またタバコば だまって
もって行きよろうがこの子は。ほんなこと はらん立つ。
家の稼業がタバコ屋からちゅうて、この子は
小学校四年の時からタバコの味おぼえて、
中学校一年の時ゃ、おまえ、歯のウラまっくろやなかったか。
まだ判らんとか。母ちゃんが、このタバコ屋を経営するために
どれだけ苦労しようか、血と汗と泪でよごれた女の半生が。
まだわからんとか、このバカ息子は、ほんなこと。アホ!

行ってこい!どこへでも行ってきなさいテツヤ。
おまえのごたあ息子が おらんごとなっても、
母ちゃん、なあもさびしうなか。
死ぬ気で働いてみろ、テツヤ。働いて、働いて、働きぬいて、
遊びたいとか、休みたいとか、そんなことおまえ、
いっぺんでも思うてみろ。そん時ゃ、そん時ゃ、テツヤ、死ね!
それが、それが人間ぞ。それが男ぞ。
おまえも故郷をすてて、花の都へ行くかぎりは
輝く日本の星となって、帰ってこいよ。行ってこい。どこへでも。」

今も聞こえる あの おふくろの声
ぼくに人生を教えてくれた
やさしいおふくろ


10.ラストバラード

作詞:武田鉄矢
作曲:千葉和臣

産んでくれてありがとな 育ててくれてありがとうな
次の世もまた次の世も あなたの子供に生まれたい
母ちゃんの子供に生まれたい

ひつじ雲西へと流れ コスモスの花揺れて見送る
旅立つ母に姉が寄り添い その唇に赤き紅をさす
別れにはうららかなこの日 ありったけのさよならこめて
声を限りのありがとこめて 捧げる白い花

いつもなら私を送り 母が立ってた我が家の前には
黒き服着た人たち並び あなたひとりを今日は送ります
泣きなさいそう言いながら 涙流してるご近所の方
おじぎばかりをしておりますが 故郷有難し

走馬灯めぐる思い出 何故か微笑む笑顔の母ばかり
小さき箱の母を抱きしめ 眠れど母は夢に現れず
我が母は逝きし後にも 安らかに私を眠らせ
母の姿は心におります いつもいついつまでも


11.さよなら


12.朗読 宮沢賢治「稲作挿話」より